資産を的確に把握する

資産を的確に把握する

遺産は人それぞれ、それまで歩んだ人生が人それぞれ異なるように、残される遺産も人によって異なります。それまでにご自身で生前整理をきちんと行っておられた場合はどのくらい資産があるのか、または負債があるのかを相続人が把握することは難しくはありません。
しかし、きちんと資産が整理されていない場合、債務放棄をする場合は3ヶ月以内という期間が定められていますので、すぐに遺産の調査を始める必要があります。
相続財産としては、まずは預金通帳や銀行からの郵便物、保険証書などがあるかどうかを調べましょう。毎年固定資産税の請求が市町村から来ていたのであれば、保有不動産があるはずです。
最近はインターネット銀行を利用される方も増えていますので、通帳が見当たらなくても銀行のキャッシュカードがないかどうか探してみる必要があります。
資産のほかにも、ローンや負債がないかどうかも同時に調べる必要があり、キャッシングなどの利用をしていなかったかも忘れずに把握しておきましょう。

相続人が集まって話し合いをする遺産分割協議とは

亡くなった人が生前に所有していた財産には、現金や預貯金などの分割がしやすいものもありますが、不動産や自動車、指輪やネックレスなどの貴金属、書画や美術工芸品などといったものは、なかなかいくつかに分けるということが難しいものです。
ところがこれらの財産を引き継ぐことになる相続人は、配偶者や子供をはじめ、父母や兄弟姉妹などの複数となる可能性があります。
そこで相続人全員が集まって、誰がどのような財産を取得するのかを話し合いをもって決める試みが、遺産分割協議とよばれるものです。
話し合いの結果は遺産分割協議書として文書にまとめ、参加者はそれぞれ署名をした上で実印を押印します。この協議書はあとで不動産や自動車の所有者の名義を書き換えたり、亡くなった人の銀行口座からお金をおろしたりする場合に証拠書類として必要になることがあるため、たいせつに保管しておかなければなりません。
またそのほかにも全員の印鑑登録証明書や住民票などが手続きの上で必要になることがあります。